「なっ、な、なんでオレの名前知ってんだよっ」 「ホントに覚えてないのかなぁ? 昔の俺の方が結構、印象強いと思うんだけどなぁ」 「こないだ邪魔されたのしか覚えてねぇよっっ!」 「うーん、どうすっかなぁ……」まるで独り言のように呟いて、胸元のポケットから薄いブルーが鮮やかなソフトケースの見慣れない煙草を取り出すと、軽く振って飛び出した一本を勧める仕草をした。 「とりあえず吸っとく?」