余談ではあるが久太郎は現在、新たに芽生えた人生を謳歌すべく、休日は趣味のドラァグクイーンでクラブに出没しながら、自称No.1キャバ嬢を生業としている。


「じゃ。そういうことで。『また』がないことを願うよ」


背中を向けて肩の高さで軽く手を振るエースの後ろ姿を眺め、大きく息を吐き出しながら腰を抜かしたようにヘタリ込む敦士に、こっそりと見つめる視線の数は多くとも、手を差し延べる者は誰もいなかった。

















とさ。

めでたしめでたし……


か、どうかは


わからない。






【fin】