誠はフッと上を見上げる。

そこには回りと変わらぬ視界を奪う白い霧が立ち込めているはずだった。

「あれ?」

…飛んでる。いつの間にか…。


誠に見えるのはウッすらとした視界を奪う力を無くした霧と、確りと光輝く星空。


そして月の中を飛ぶ魔女だった。