「そうそう、柳先生には2年生の担任になっていただきます。」

職員室のドアを開けようとした時、教頭先生は思い出したようにそう言った。

「え!?私がですか?」

「はい。」

そうニッコリ笑い、職員室に入っていった。

いやいや、私教師1年生ですよ、教頭先生!

そう心の中で叫ぶ。

果たして、私に担任が務まるだろうか。そんな不安を感じつつ、職員室に入った。

「あれ、柳!」

そう私の顔を見てびっくりしたのは高校時代の担任、村川先生だった。

「村川先生、お久しぶりです。」

「ほんとだな、お前達が卒業してから5年か。早いな。」

そう穏やかな顔をする村川先生。その笑顔が懐かしくて頬が緩む。

私、本当にここに帰ってきたんだ。嬉しくて、またこの高校に毎日来れるのが嬉しくて、また頬が緩む。