「まぁ和飛。今日は可愛いお友達も連れてるのね」

「こんにちは。遠山です」

病室に入ると、和飛のおばあちゃんは夕食中だった。

「こんにちは。礼儀正しいのね。私は和飛の祖母の矢野和ヱ子」

「あえ……こさん?」

「和飛の和とカタカナのヱ。それに子供の子よ」

聞き慣れない名前。

すぐに漢字が出てこなかった。

すると和ヱ子さんは引き出しから紙を取り出し、大きな文字で名前を書いてくれた。

「和飛の和という字は私からとっているの」

「へぇ……。ありがとうございます」

にっこりと笑う時にできるえくぼは和飛とそっくり。

父方の母とは聞いていたけど、きっと和飛はおばあちゃん似なのだろう。