ボソッ…………
(じゃあ普通に断ればあいつはあきらめるのか…)
「んっ?
なんか言った??」
「いや、何にも??」
「でも、どーして傷つけずに断らないといけないの??
どう頑張ったって相手は傷ついちゃうんだからさ。
それに、そんな簡単なことも棗が分からないなんてアタシ思えないんだよね~。
棗は結構いろんなことに通じてるからさ。」
「そーか?
でも、傷つけないで断るのにはちゃんと理由があるから。」
「えっ?
たとえば??」
「たとえばっていうか、
前にも言ったけど俺らって王子様で通してるわけ。
だから、傷つけちゃうと、
[王子様なのに……]
みたいになって、
学校側にいろいろと調べられて、
日ごろの行いがばれて
特待生制度も白紙になるわけ。
まぁ、特待生制度はいいとしても、
日ごろの行いがばれるとやりにくいわけ。
わかった??」
「まぁ、大体は………」
「理解できていてよかったよ。」



