燕と石と、山の鳥

「ご縁、ですか?」


はてなと相棒は首を傾げる。
俺も内心首を曲げた。


「拙僧、先日圦光さんにお声をいただきまして、坂田様の葬儀の際に参らせていただきました坊主にございます。
お二方、圦光さんの知人の方であったと伺っておりますが…」

「あぁ…!
あの時のご院主でしたか!」


ようやく接点に気が付いた俺達に老人はあれだけ出ていた目玉を引っ込め目を細めると、幾重にも皺を寄せてニッコリと笑う。


「ここ災明寺の住職をしております。
在彦(ザイゲン)と申します」

「あぁこれはご丁寧に…僕は泰納 芹緒と申します。
こちらは友人の浅水 紺です」


合掌してまた深く低頭する在彦和尚に、芹緒が応じて頭を下げるのに従い俺も軽く頭を下げた。

そうか、圦サンの知り合いだったのか。

それならやらしい話低コストで葬儀を済ます事が出来る。


そんな事を考えていて、ふと駅前の鳩と仲良しなタクシードライバーのオッサン達の会話を思い出した。



場所から考えて事件現場に近いお寺さんってここの事か。



「ご院主、近頃ここいらで白骨が発見された事件、ご存知ですか?」


芹緒の問いに魚のように目玉を向けて聞いていた和尚は聞いている間小刻みに何度か相槌の意で頷いていたが、聞き終えると呻いてるんだか喘いでるんだかわからない返事で数度がくがくと頷き「まぁ、立ち話もなんですから、お上がり下さいませ」と俺達を中に入るよう促した。