体は益々色々な感覚を無くしていく。 箸を使うことさえ忘れた今スプーンを使い、字を書くことさえままならない今ボードでひらがな表を指差したり殴り書きしている。 『こんな風なら記憶がないほうが楽だよな。』 体が上手く動かすことが出来ないことでまた苛立ちが募っていた。