「アタシはたこ焼き食べる気満々だったのに〜!」


優に手をひかれながら絶叫する。


「奢るのは俺なんだから文句言わなーい!」


しっかりと手を繋いだまま、沈みゆく夕日に向かって走った。


優の横顔が夕日に照らされてオレンジ色になる。

アタシの顔も、きっとオレンジ色…。


暗かった心の中も、あの夕日みたいに暖かなオレン色に染まっていた。


この日、アタシ達の15年分の距離はいっきに縮まった。