ドン!


「きゃ!」


ぼうっとしながら歩いていたら、突然優が立ち止まって、アタシは優の背中にぶつかった。


「いたーい!どうしたのよ?」


固く引き締まった背中に顔をぶつけたアタシは鼻の頭をさすった。


すると、優がアタシの手を掴んで引っ張った。


「たこ焼き中止!やっぱ鯛焼きの気分!」


「ちょ、ちょっと〜!」


「鯛焼き、鯛焼き〜!」


優はアタシの手をしっかりと握ると引きずるように走った。