「いらない!」


押し返したポケットティッシュをもう一度アタシに差し出し、手に握らせる。


「涙拭えよ。あと、鼻水も!」


「えっ?」


思わず鼻を手で隠す。


「ひっかかった〜!鼻水なんか垂れてねーし!」

「なっ!何よー!」


ポケットティッシュを優の顔に投げつけようとすると、上手にキャッチされた。


「やっと元気になったな!今日、ずっと元気なかったじゃん?」


優が笑いながら言った。

なんだ…。
気づいてたの?
心配してくれてたんだ。

思いがけず、優しい言葉をかけてもらったら、また涙が溢れてきた。