「利香ー!日本史の教科書貸してくれ〜!」


昼休み、成宮君がアタシのクラスへやって来た。


アタシは食べかけのおにぎりをいそいそとしまい、教科書を届けに行く。


「成宮君、テスト近いんだから忘れたらダメだよ?」


「分かってるんだけど、ついな…。」


そして、アタシに顔を近づけて耳打ちをした。


「こうでもしなきゃ利香に会えないじゃん?」


ひゃあああ!
か、顔が近い!


あまりの至近距離に心臓がパニック状態。


「もう!成宮君たら!」


「そうそう、今日の放課後時間ある?」


「今日?今日は何もないよ!」


「そか!じゃあちょっとだけ会おうよ?」


「う、うん!」


わぁーい!
久しぶりのデートだ。