「彼女がいようと関係ないよ!」


「へっ?」


キョトンとする千草。


「だーかーら!彼女がいたって関係無いじゃん?好きなら奪っちゃいなよ!」


「えーー?利香、何言ってんのよぉ?」


「だって好きなんでしょ?その人の事?」


「まだそこまでは…。気になる程度だよ…。」


アタシの問いかけに、千草は控えめに答えた。


「何ウジウジしてんの?千草らしくない!ほら、千草は可愛いんだから自信持ってよ!好きになる気持ちは止められないんだからさ?」


「う〜ん…。」


らしくない…。


煮え切らない態度をする千草をアタシは励ます。


「ほら、頑張って!アタシ応援するし、協力もするか!」


千草の手をぎゅっと握った。


「ありがとう…。」


千草は戸惑いながらアタシの手を弱々しく握り返した。