ママは水をもう一杯グラスに注ぎ、アタシに言った。


「中学生って、梓んとこの優君なんて働いてるよ?ちゃんと梓のお店手伝ってるんだから。」


「はぁ?それ本当に?」


「本当よ!店には出ないけど、掃除したり洗い物したり、買い物したり…。」


「そんなのアタシだって毎日してるよ!それどころかママが産み捨てした兄弟の面倒だってちゃんと見てるんだから!」


「産み捨てしたですって!?なんて人聞きの悪い!」


「だって本当の事じゃない!アタシ達兄弟、ママに産んでもらっただけ。育ててくれたのは死んだお婆ちゃんでしょ?ピノコなんてアタシの事、ママって言うんだよ?何とも思わないわけ?」


ママは悲しそうな顔をしてうなだれた。


「ママ…。」


「もう寝る…。」


ママは化粧も落とさずに肩を落として寝室へ消えてった。


ちょっと言い過ぎたかな?
ううん、そんな事ない!本当の事だもん。