「エマ…?」


お風呂から上がり、やっとピノコを寝かしつけたアタシはこっそり部屋のふすまを開けた。


エマは布団の中に潜り込んで携帯をいじっている。


携帯、みんな持ってるもんね。
エマだって手放したくないよね?
それにお小遣いを与える余裕のない我が家。
彼氏に値だって買ってもらう他無いもんなぁ…。だからって、社会人の彼氏と高校生の彼氏使い分けるのは良くないよ。
去年卒業した野々村先輩が本命なんでしょ?
いいのかぁ?野々村先輩とはもう一年以上も付き合ってるのに…。


ピノコをそっと下ろし、豆電球の明かりを頼りに明日の準備をした。


あっ、これ…。
今日アイツから渡された、ママの明細。


アタシは居間に移動して何気なくそれを開いてみた。