「あ〜あ。トシ兄はすぐ拗ねるよ。あぁやって部屋に閉じこもるとしばらく出て来ないんだから。僕の部屋でもあるのに…。」


大貴はお皿に遠慮がちに盛られたカレーライスをゆっくりと口に運んだ。

うちの間取りは2LDK。


四畳半の部屋を寿一と大貴が使い、六畳の部屋をアタシとママとエマが使う。


プライベートな場所なんかない。


大貴はお皿に遠慮がちに盛られたカレーライスをゆっくりと口に運んだ。

「大貴、寿一の残したカレーも食べていいんだよ?それっぽっちじゃ足りないでしょ?」


大貴は寿一と違って痩せている。
多分、他の兄弟の事を考えて、自分が満足するまで食べない。


アタシはそんな優しくて、同年代の子よりも大人びた大貴が不備でたまらなかった。