今日はママの結婚式。


場所は小さな教会で、親しい人だけを招いた。


もちろん、優と梓さんも出席。


ママのウェディングドレス姿は、すごくきれいで、まさか5人の子供を産んでるようには見えない。


「緒方さん、ママの事よろしくお願いします。」

アタシは控え室にいる緒方さんに頭を下げる。


「任せて。ママの事も、みんなの事も幸せにするって約束するよ!」


そう言ってくれた緒方に、もう一度頭を下げる。

「それから…。できればこれからは僕の事も、パパって呼んで欲しいなぁ?」


これについては、曖昧に笑っただけ。


アタシは父親というものを知らずに育ったし、いきなり他人をパパと呼べるほど心の広い人間じゃない。


でも、一緒に暮らして、いつか自然に緒方さんをそう呼べる日が来たらいいな…って思ってる。