利香15歳・5児の母です!

「すみれはいい母親じゃなかったかもしれないけど、いい母親になろうとしてる。
何より、あなたを産み、育ててくれたのは他でもないすみれなんだから!そりゃ、ちょっと恋多き女の子だったけど、利香ちゃんの大切な兄弟を産んでくれたのもすみれなの。それだけはわかってあげて?」


「…はい。」


まだ納得がいかないアタシ。


「そうそう、すみれね、毎月の給料の中から、子供たちのために積み立てしてあげていたの、知ってた?」


「積み立て?」


「そう。それぞれの子供たちの名前で、ちゃんと貯金してあるのよ。これが利香ちゃんの通帳。」

差し出された通帳にはアタシの名前。
開いてみると、毎月同じ金額が振り込まれている。


「他の兄弟たちの分も私が預かってる。すみれ、自分で持ってると、苦しい時に使ってしまいそうだからって…。これは、すみれが爪に火を灯すような思いで貯めていた物よ?子供たちのためにできる事、これくらいしかないって、酔っ払うたびに嘆いてた。」


通帳の上に涙が落ちた。

毎月、給料から引き抜いていたお金はこのためだったんだ。


自分で使ってたわけじゃなかったんだね?


私たちのために貯めていたんだね?


「でも、そうならそうと言ってくれれば…。」


通帳を握りしめる。