利香15歳・5児の母です!

「違うって、何が…?」


「だから…、お金盗んだのはエマ姉じゃない。僕なんだ!」


「なんですって?!」


アタシは驚き言葉を失う。

エマは寿一を心配そうな顔をして見守る。
2人は頷き合うと、覚悟を決めた寿一がポツリポツリと話し始めた。


「初めはほんの少し小銭を取ってただけだったんだ…。」


「ちょ、ちょっと待って!一体何のために?」


お金を盗んだと言うならそれなりに欲しい物があったからだろう。
でも、新しく買った何かは見あたらない。
何に使っていたんだろ?

寿一から返ってきた答えはアタシを脱力させるものだった。


「買い食い…するためだよ…。」


「買い食い?」


「うん。他の子たちはみんなしてるんだ。放課後、お小遣いで、お菓子買いながら帰るの。」


「そんな下らない事のために?!」


またお菓子かよ…。
うちの兄弟たちはなんて意地汚いの!


正直、そう思った。