千草はカバンも置かずに、アタシに引っ張られるまま走る。


「利香、どこ行くの?」


「屋上!2人きりになれるとこ!」


「だってホームルーム!」

「ホームルームより大事な話しだよ!」


階段を駆け上がり、屋上へ繋がる重いドアを開けた。


ガチャン


雲一つない真っ青な青空が広がっていた。


まるで迷いが消えたアタシの心みたいに晴れ晴れとしている。