アタシにしがみつき、ボロボロ涙を流すママはまるで子供みたいに可愛いくて、愛おしく感じた。


「利香は本当に優しい子ね?ママの自慢の娘よ。」


何度も何度もそう繰り返すママ。


「まぁ、お姉ちゃんは優しいよね?アタシもピンチの時助けてもらったし…。ちょっとお節介だけど。」


エマは顔を赤くしながら言った。


「お姉ちゃんは優しいよ!最高のお姉ちゃんだよ!」


みんながアタシを誉めてくれる。


嬉しさより、罪悪感が湧いてきた。



だってアタシは、優しい子なんかじゃないよ…。
学校で友達を仲間外れにするような、弱虫で最低の子なんだよ…。


自慢のお姉ちゃんがイジメなんかしてるって知ったら、家族はどんなに悲しむだろう…。