利香15歳・5児の母です!

「ところで、お姉ちゃんは何買ったの?これ?」

大貴が残りの袋を発見して指を差す。


「これはママにだよ。」


「え〜?じゃあ利香姉のは?」


「アタシの…?」


アタシは今さらながら、自分のために何1つ買っていない事に気づいた。


「まさか、お姉ちゃんは何も買わなかったの?」

エマが心配そうな顔をする。


「もしかして僕たちの分買っちゃったからお金無くなっちゃったの?!」

大貴は泣き出しそうな目をした。


「違うよ!アタシは欲しいものが無かったの。」


「本当に?」


「うん、本当だよ!ほら、お金はまだあるんだけどね、じっくり考えてから買いたくて。」


そう言うとみんな安心したように胸をなで下ろした。


いけない、いけない。
喜んでもらうつもりが、余計な気を遣わせちゃった。