翌朝、登校すると玄関に千草の姿を発見した。


アタシは周りを確認する。

うん、菜々子たちはいない。


勇気を振り絞って、靴を履き替える千草に声をかけた。


「おはよう。」


ゆっくりと千草が振り返る。


「あの…。」


言葉が出てこない。


謝るのが先か、仲直りが先か…。


悩んでいるアタシに千草は微笑んだ。


「菜々子たちに見られたらヤバいでしょ?私なら平気だから。」


「…。」


呆然とするアタシを置いて、千草は行ってしまった。