休み時間、成宮君がアタシのクラスに訪ねてきた。

「利香!国語の教科書貸して!」


「うん!ちょっと待ってね!」


アタシはドアの前で待ってる教科書を届ける。


「成宮君、3年生になってから忘れ物が多くなったね?気をつけなきゃダメだよ!」


「はいはい!いつもご迷惑おかけしてまーす。」

「迷惑なんかじゃないよ!」


だってアタシ、ちゃんと成宮君のクラスの時間割調べてるんだ。
だから、アタシのクラスにない授業の教科書も完備してる。


いつ成宮君が忘れ物してもいいように。