利香15歳・5児の母です!

「事情はわかりました。けどあなたが何と言おうがピノコは生まれ、こうしてアタシたち家族の一員として生きて生活しています。今さらどうしろと言うんですか?」


緒方さんはアタシに近づき、ピノコの頭を優しく撫でる。


ピノコは力一杯アタシにしがみつき、アタシもピノコをギュッと抱いた。


「取って食いやしませんよ。先ほども申し上げた通り、ワタクシはこの子の正真正銘、お婆ちゃまなんですからね。」


確かに緒方さんはピノコに危害を加えそうな気配はない。


ピノコを見つめる眼差しは優しく、亡くなった祖母と重なる。


けど…。


なんか嫌だ。


アタシの中で黄信号が点滅する。


怯えたアタシたちの様子を見て、緒方さんは少し離れた。