利香15歳・5児の母です！

体中から嫌な汗が吹き出る。
暑いはずなのに身震いがした。


｢驚いたでしょう？でもね、これは嘘でもなんでもない事実なの。あなたのお母様が息子との間にできた子供を生んだと知ってﾜﾀｸｼはいてもたってもいられなくなった。失礼ですけど、あなたたち家族の事も調査済みよ。あなたは…。そう。確か長女の利香さんといったかしら？｣


｢そう…です。｣


そう答えるのが精一杯だった。


お婆さん…。
いや、緒方さんがｱﾀｼたちの事を知っている事に驚き、そして怖くなった。


｢ﾜﾀｸｼはね、息子には相応しい人が他にいると信じておりました。それが、4人の子持ちの商売女なんかと結婚したいと言われた時はもう…。心臓が止まるかと思いましたわ。｣


緒方さんは胸に手をおき、着物をギュッと握った。


｢もちろん結婚には大反対。当然子供もおろして頂いたと思っていましたのに…。まさか、生んでいたなんて…。｣


頭に手を当てながらよろめく緒方さん。


ピノコの前でそんな事言うなんて許せない。