「今日は一緒に帰れるだろ?昨日、母ちゃんから小遣いもらったんだ。だからたこ焼き食いに行こうよ?奢るから!」


きれいに折り畳まれた千円札を広げながら、優が笑う。


「ごめん…、今日はちょっと…。」


「また?!」


「うん。ピノコが夏バテで調子悪いから…。」


「そっか…。なら仕方ないけど…。」


優は広げた千円札を片手でクシャリと潰した。


「じゃあお先に!!」


アタシはカバンを持って、さも急いでいるかのように小走りで教室を出た。