「お姉ちゃーん!ピノコが起きたよー!お姉ちゃんてばー!」


エマがアタシを大きな声で呼んだ。


「ごめん!ミルク作ってあげてー!」


「えぇ〜?!無理ー!早く上がってー!」


ピノコをあやしながら四苦八苦するエマの様子がうかがえたけど、アタシはお風呂の中でうずくまっていた。


お願い、今日はもう少しだけ一人で泣かせてちょうだい…。
そうしたらまた、明日から頑張るから…。


恋する気持ちは、蜂蜜みたいに甘いと思っていたけど、違った。


本当に人を好きになるって、ほろ苦くて、涙の味がする…。