キーンコーンカーンコーン…。


「間に合った〜!」


今日もアタシはギリギリセーフで滑り込む。


毎朝早起きしているのに、家の事をこなしているうちに時間はあっという間に過ぎてしまう。


「おはよう、利香!今日も滑り込みセーフだね?」


声をかけてきたのは、小学校からの親友・山田千草(やまだちくざ)


アタシとは正反対のお金持ちのお嬢様。
なのに飾らない性格で、サバサバした千草とアタシはなぜか気が合う。


「あぁ〜、千草おはよう!ピノコ保育園に送って行ったらもうこんな時間だよ。」


「ご苦労様です!ピノコちゃん、大きくなったでしょ?」


「そうなの!もう8キロもあるんだよ?抱っこしてたら、ほら!こんなに筋肉ついちゃった。」


アタシは腕まくりして、すっかりたくましくなった腕を披露した。