「おーい、待てよ?何怒ってんだよ?」


「知らない!」


「なんだよ〜!意味わかんねぇ!」


困った顔をしながらアタシを追いかけてくる優を見ていたら、なぜか幸せな気持ちになった。


アタシ、優の事が好きなのかなぁ?





外に出た途端、息苦しいほど蒸し暑い空気に包まれる。


全身の毛穴から汗が吹き出た。


「校門まで競争ね?ドン!」


「ずりぃ!フライング!」

体中から溢れそうになる感情を堪えきれず、アタシは思い切り走った。






夏は始まったばかりだ。