夏休み直前、登校すると優がアタシを待ち構えていた。


「おい、バイト見つかったぞ!」


「本当に?」


あまり期待していなかった分、喜びは大きい。


「新聞配達なんだけど、ちょうど人が足りなくてさ。朝刊と夕刊を配達すんの。これなら家事してても平気だし、いい運動にもなるだろ?」


「そうだね!朝少しだけ早起きして、夕飯を作る前に行けばいいんだもの。うん!バッチリだよ。ありがとう、優!」


思わず優の手を握った。

「あっ…。やめろよ。」


優はアタシの手を振り払い、顔を赤らめる。


ついついノリでしちゃったけど、そんな反応されたら、アタシまで恥ずかしくなっちゃうじゃない!

「今日、さっそく返事しに新聞屋に行くけど一緒に来れるか?」


「大丈夫!行くよ!」


「じゃあ放課後な!」