「う〜ん…。多分無理だろ?うちだってめちゃくちゃ儲かってるわけじゃないし、バイト雇う余裕は無いな。母ちゃん、今月も売り上げ落ちたって嘆いてたし…。」


やっぱりダメか。


「そうだよね。やっぱちゃんと探すしかないかな?」


「探すったって、中学生をバイトさせてくれるとこなんかあるか?それに、俺ら受験生なのに働いてる場合じゃないだろ?」


「それなら平気だよ。アタシ、中央なら安全圏だし。」


「でもなぁ、夏休みだって講習とかあるんだぜ?お前は家事もしなきゃなんねぇんだろ?いつバイトすんだよ?」


あっ…。
考えてなかった。
バイトする時間なんて無いじゃないの。


優が携帯で誰かにメールをしている。


「一応、母ちゃんに聞いてみるけど期待はすんなよ。」


「うん!」


例え見つからなかったとしても、こうして優が親身になってくれた事に感激した。