「利香、お金の事気にしてるんでしょ?それなら大丈夫よ!ノー・プロブレムよ?」
「何がノー・プロブレムなのよ!全然大丈夫なんかじゃないじゃない!」
進路志望用紙を奪い取ろうとすると、ママがヒラリと身をかわした。
「大丈夫なの!」
「何が!うちは生活していくのが精一杯じゃない?ちっとも大丈夫なんかじゃないわよ!毎日のお米代にも頭を抱えなきゃならない生活の中で、アタシが私立なんか行ったら、一家が飢え死にしちゃう!」
「大丈夫。ママ、頑張るから!」
「頑張るって…。」
「あっ、いっけなぁい!もうこんな時間!ママ仕事行ってくるから後は宜しくね〜!」
「あっ、ママ〜!」
パタン…。
ママはかかとがささくれ立ったミュールをつっかけて出て行った。
アパートの階段を軽快に駆け下りる足音が響き、やがて聞こえなくなった。
ママが私立の欄に書き足したヘタッピな文字を眺める。
明かり女子に行けたらどんなにいいだろう?
大好きな英語の勉強をもっとしたい。
留学だってしてみたい。
それに…。
優の高校からだって近いし…。
けど、やっぱり無理だよ…。
「何がノー・プロブレムなのよ!全然大丈夫なんかじゃないじゃない!」
進路志望用紙を奪い取ろうとすると、ママがヒラリと身をかわした。
「大丈夫なの!」
「何が!うちは生活していくのが精一杯じゃない?ちっとも大丈夫なんかじゃないわよ!毎日のお米代にも頭を抱えなきゃならない生活の中で、アタシが私立なんか行ったら、一家が飢え死にしちゃう!」
「大丈夫。ママ、頑張るから!」
「頑張るって…。」
「あっ、いっけなぁい!もうこんな時間!ママ仕事行ってくるから後は宜しくね〜!」
「あっ、ママ〜!」
パタン…。
ママはかかとがささくれ立ったミュールをつっかけて出て行った。
アパートの階段を軽快に駆け下りる足音が響き、やがて聞こえなくなった。
ママが私立の欄に書き足したヘタッピな文字を眺める。
明かり女子に行けたらどんなにいいだろう?
大好きな英語の勉強をもっとしたい。
留学だってしてみたい。
それに…。
優の高校からだって近いし…。
けど、やっぱり無理だよ…。


