利香15歳・5児の母です!

「お前は?」


「アタシ?!」


「うん。明かり女子に行きたいんだろ?」


「何で知ってるの?!」


アタシ、優に話した記憶無いんだけど…。


「すみれさんから聞いたよ。利香は一年の時から明かり女子に行って、いずれは留学したいんだって…。マジで留学しちゃうの?」


優が寂しそうに聞いた。

「まさか〜!確かに明かり女子には憧れてたけど無理だもん。」


「何で?わかんないじゃん?お前、成績いいだろ?」


「成績の問題じゃないよ。ほら、明かり女子は私立でしょ?うちにはとてもそんな余裕…。それに、留学ってゆうのはお金持ちのお嬢様がするもんだよ。例えば千草みたいな?アタシは中央で決まりかな?近いし、自転車で通えるし。」


「中央か…。お前ならもっとレベルの高い学校狙えるのにな?」


「まぁ、とりあえず行ければどこでもいいや!」

「明かり女子と北山なら近いのにな…。」


投げやりなアタシの態度を見て、優が小さな声で呟いた。


「今、なんか言った?」


「別に〜!」


いきなりスピードをあげて歩き始めた優。


アタシはその後ろ姿を早足で追いかける。


その足取りは軽やかで、思わずスキップしてしまいそう。


優もアタシと同じ事を思ってたんだ…。


乾いた心の中に、水が湧き出るみたいに、気持ちが潤っていく。