利香15歳・5児の母です!

「似てるの…。」


「似てる?」


「前にね、私も親友に好きな人を取られたんだ。その時の状況と、今のあなた達の状況がそっくりなの。」


そう言った菜々子は拳をギュッと握って涙目になっていた。


「そうだったの…。」


多分、菜々子の言っている事は本当だろう。
嘘をついている風には見えないし、これが演技だったとしたら逆にすごい。


「だからね、許せないんだ。千草の事…。関係ないかもしれないけど、利香も私が経験した悲しみを味わうかと思うと、いてもたってもいられなくなる…。」


悔しそうに廊下の千草と成宮君を見つめる菜々子。


きっと、自分の好きだった人と親友を重ね合わせているんだ。


でもね…。


アタシは菜々子にハンカチを差し出した。