「利香、期末どうだった?」


「んー?いつも通りかな?千草は?」


「私はダメだった…。」


期末テストが終わり、もうすぐ夏休み。


でも、アタシ達は受験生。遊んでばかりはいられない。


「利香、高校どうすんの?」


「あー、アタシは中央高校かな?家から通えるし、安全圏だしね。」


「そうか…。私も中央高校にしようかな?」


「えー?!」


千草の発言にアタシは仰天した。


千草は私立の明かり(あかり)女子高校をずっと志望していた。


明かり女子には、外国語科があって、英語の授業にも力を入れているし、交換留学制度も整っている。


実はアタシも明かり女子高校へ行きたかった。


けど、私立だし、家からは遠いし、寮生活をしなくちゃならない。


お金の無いうちには当然無理。


けど千草は違う。


そこに入学するために、英会話教室にも通っていたし、家も裕福なのに…。