｢そんな顔しないでよ！ｱﾀｼなら平気だから！｣


強がりじゃなかった。


成宮君に呼び出された時から、なんとなくこうなる事を予測していたのかもしれない。


振られたのに、あまり悲しいとは思わない。


ただ、心の中にポッカリと穴が開いたような気がするだけ…。


それも、小さな小さな穴。


きっと、すぐに埋まってしまいそうな浅くて小さな穴。


なのに、優がｱﾀｼより傷ついた顔をするから、なぜだか泣けてきた。


｢あれ？ｱﾀｼ、どうしたんだろ？なんで涙なんて…。｣


｢泣きたいなら泣きなよ？俺しか見てないからさ、思い切り泣きな？｣


クシャ
って…。


優が頭を撫でてくれた。

それがスイッチとなって、ｱﾀｼは声を立てて泣いた。


｢ふっふぇ〜ん…。｣


｢よしよし…。｣