利香15歳・5児の母です!

ガチャン…。


屋上の重い扉が開く音がして、アタシは我に返った。


優が気まずそうな顔をして立っている。


「ごめん…。立ち聞きするつもりはなかったんだけど、出るに出れなくて…。」


クシャクシャに丸めたパンの袋とペットボトルを持っている。


そういえば、こいつは屋上でご飯食べてたっけ?

「アハハハ!何縮こまってんの?」


大きな優が小さくなっている姿が滑稽で、アタシは笑った。


「だって!まさかこんなとこで別れ話ししてるなんて思わないじゃん!」

「ウケる〜!はー、アタシ振られちゃったよ〜!有り得ないよね?受験生だからとりあえず別れるとかってー!」


「おい…。」


おどけるアタシを見て優が切なそうな顔をした。