「おかえり利香姉〜!って、あれ?」


大貴の挨拶も無視して、アタシは洗面所へ駆け込んだ。


汚れた制服を脱ぎ捨てて、パジャマに着替える。

鏡の前には、明らかに泣いた後の顔をしたアタシ。

泣きすぎてむくんだ顔を冷たい水でザバザバ洗った。


なのに、一向に火照った顔は冷めない。


顔だけじゃなく、体全体が熱かった。


まだ、背中の辺りに優の手の温もりが残ってる…。


深呼吸をして、兄弟たちの待つリビングへと戻った。