「あのさ、千草はアタシをバカにした事もないし、お金持ちを鼻にかけた事もないの。私達貧乏って言うけど、そういうデリカシーない事を平気でズカズカ言うあんたこそ、アタシをバカにしてない?」


アタシに言い返された菜々子は


「あっそ!せっかく相談乗ってあげようと思ったのに!」


と吐き捨てて、自分の席へ戻って行った。


すぐに携帯を取り出し、こっちをチラチラ見ながら誰かにメールをしている。


多分、アタシと今あった事を別の友達に報告しているんだろう。


ふん!
うちら貧乏人って言うけど、携帯持たせてもらえるだけいいじゃない!
うちは携帯どころか、明日食う物すら困ってる状態なんだから。
貧乏は貧乏でも一緒にすんなよ!!


菜々子がメールに夢中になってる隙に、舌を出してささやかな抵抗をする。


でも、やっぱり携帯って便利だよね?


成宮君とも頻繁に連絡取れるし、何より千草にこうなった原因も聞けるかもしれないじゃん。


エマが二股してまで携帯を手放したくない理由、なんとなくわかるな…。

はぁ〜。
高校生になったら絶対バイトして携帯買おう。