余った材料で、アタシも同じ物をこしらえた。


「利香姉も彼氏にあげんの?」


「まぁね…。」


チキンライスをきつく結びながらアタシはこれを優にあげようと思っていた。


深い意味はないもん。
今日の鯛焼きのお礼!
それと、話しを聞いてくれたお礼も…。


アタシとエマが作った2人分のお弁当が、それぞれの思いを詰め込んでテーブルに並べられる。


「先輩喜んでくれるかな〜?超緊張するよー!楽しみ〜!」


浮かれるエマを尻目に、実はアタシも浮かれていた。


優、美味しいって言ってくれるかな?


どうしてだろ?
つい昨日まで、どうでもよかったヤツのために手作り弁当を作るなんて、アタシどうかしてる!


なのに優の喜ぶ顔を想像すると、明日が来るのが待ち遠しく感じた。