確かにウリとは違うかもしれない。


けどね、欲しい物を我慢できなくて、自分の心を売った代わりに何かを得るなんて、結局ウリと同じ事じゃん?


アタシの心の叫び声はエマには届かない。


アタシは、そんなエマを止めてあげられる程大人じゃない。


気の利いた言葉も、方法も思いつかなかった。


「ほら、利香姉、出来たよ?」


万年の笑みで不細工なおにぎりをアタシに見せつける。


「まぁ、外見より味が大切だからね?」


「ひどい!そんなに下手かな?先輩、食べてくれるかなぁ?」


「食べてくれるよ!エマが一生懸命作ったんだもん!」


アタシの言葉に、さも嬉しそうに頷いてからメールを作った。


きっと送り主は野々村先輩。