魑魅魍魎の菊




「縁結び?」

「そ、そうだよ高村さん!玖珂っち説得してやってよ、俺の話まるで聞いてくれないんだ!」

「未練タラタラなら別の所に行ったら?陰陽師とは…また違うような気がする」



高村がそう言ってくれてたので、俺は思わず頷いてしまった。確かに陰陽師は縁結びの仕事をするが…



それは人間同士の話だ。霊になってしまった存在とは無理に決まっている。




「…お、俺…。雛ちゃんのこと、死ぬ前から好きだったんだよ…。あの子、こんな取り柄の無い俺に優しくしてくれる良い子なんだ。





本当は"縁結び"だなんて口実、







だけど……もしかしたら…強大な力を持つ玖珂家の人なら出来ると思って。依頼しに来たんだ」





「——馬鹿馬鹿しい、幽霊と人間が添い遂げられるわけねぇだろうが」



俺はそう一蹴して、またもやリュックを背負って立ち上がるのだ。だが…





「加藤さん。アンタ、自分の身元覚えている?」




背後に聞こえて来た言葉にまたもや驚愕する。だから一体何をしたいんだ…あの女。



「た、高村さん!!」


鼻声がやたらと耳にまとわりつく。