菊花の背後でD組の男性生徒が2人倒れており、戦闘不能にさせたのは専ら龍星なのだが…
玖珂君と萩原君は頼もしい背中を見せながら、ずんずんとコートの中に入って行く。
全く…とんだ馬鹿なのか、お人好しなのか、正義感なのか…。
だけれど、みんなで悩んで、誰かが笑ってくれるのなら良いのかもしれない。
(この地は玖珂が統治しているテリトリーだ。——この土地で勝手に粋がるなんざ、制裁を下してやる)
——さて、試合が再開された。
悉く井上君のことを邪魔されたことに憤慨しているのか、F組の連中は顔色を曇らせる。D組は何故か最強の二人組が参加したことでヒートアップしてるし…。
それから始まる試合は誰もが目を見張るのだ。D組のチーム内に二人の知り合いが多いのか、見事なコンビネーションで繋がれるパスに龍星の破壊的なダンク。
相手の余裕所か気力を奪うが、影で井上に八つ当たりして殴っている姿が見受けられる……
(あららー、本当の悪者を誰か教えないとねー)
菊花の影を含んだ笑みを偶々見てしまった正影と龍星は肝を冷やすのだった。
((…絶対、良からぬ事を勘考えているっ…!!))
*
太陽が織り成す影と邪心を持つ人間から放出される淀んだ空気が入り交じるのが感じる…。
正影はD組からすかさずパスを受け取り、コート全体を見渡すと…F組のチャラ男が井上を突き飛ばしていた…!!
(……腐ってやがる、)
この地で悪事を働くような救いようのない馬鹿はこの俺が排除してくれる…!
そして、マークされる瞬間に一気に抜け出して井上の元に向かおうと瞬間——
——体が動かなくなった。

