(あのTシャツは黄緑ということは……1年F組か、)
菊花は霧吹きの中にウォータークーラの水を入れ、ドッヂボールのコース会場へ足を運ばせる。
…あの少年から何だか"他のなにか"を感じてしまった自分が居た。あれは気のせいなのか、最近優秀な陰陽師の玖珂正影と強力な霊力を持つ萩谷龍星に出会ったからなのか?
それとも——…微量だが、この体に"神の力"を流されたせいで敏感になったから色んなものを感じるのかな?
菊花は自身に着ている白いTシャツを揺らしながら学校の木漏れ日の中を歩いていると…
ドッジボールのエントリー会場に最も近い木漏れ日の中に二人の男がだらけきっている姿を発見した。
(アレ…。良い男ってだらけきっても格好良いのかな?)
無意識に放出されるエロティックなフェロモンが周りの女子や男子を悩殺してますよー玖珂君、萩谷君。
「だらけきった精神で学校行事を乗り切ろうとしてるの?」
私は寝っ転がってる玖珂君の横にしゃがんで団扇で仰いであげた。ていうか、1-Bは黒いTシャツだなんて可哀想だな…。
「あ"ぁー高村…俺にも風寄越せー…」
「何でそんな盗賊なの?!団扇ぐらい自分で用意しなよ…」
そして私の方が明らかに年上なのに、何なのよこの先輩を敬わない感じ…。私は渋々萩谷君にも風を送れば、玖珂君がふと私の腕を掴むのだ。
(ドキドキしちゃうよ?!)
——上目遣いで睨まれてもお姉さんドキドキしちゃだけだから。
「どうなされた」
「——ずっと俺を仰いでいろ馬鹿…」
「ったく…アンタ等ね…。もっと年上を敬いなさいよ?」
ていうか、周りの女の子と何故か男子の視線がチクチク体に刺さって痛いッス…。
(男女を問わないエロさかよ…)

