彼の手がキライ



頬に触られた感触が残ってる。


違和感を感じながらも無事倒れることなくバイトを終えることが出来た。






コンビニから出てすぐ自分の目を疑った。


目の前にペットボトルの飲み口に噛みついている男がいたから。


――その男が新井達也だから。


「お前、顔真っ赤。絶対に大丈夫じゃねぇだろ」


わたしに近づいてフタを閉めたペットボトルの底を頬に押し付けてきた。


熱い頬にひんやりと冷たい感触。


気持ちいい。


「整体の時は送らなくていいって言われたから送らなかったけど、今度は絶対に送る。家どこだ?」