彼の手がキライ



あと少しでバイトが終わる……そう思ってた時にコンビニに男の人が入ってきた。


見たことがある顔立ち。



「あ。優羽じゃない方の矢沢じゃん」


昨日今日、よく会う人。


ここのコンビニでバイトをし始めて結構経つけど、今まで会ったことないのに。


ボーッとして熱くなってきた頬をなんとか上げて“いらっしゃいませ”と言った。


コンビニに入ってきた男の人――新井達也はレジと向き合った飲み物が並んでいるところに行った。


店内には雑誌を立ち読みする人ばかり。