彼の手がキライ



……また、新井達也のペースに巻き込まれてるわたしってどうなの?


「もう用は終わったし帰っていいよ。送っていこうか?」


スリッパを脱いで、新井達也から借りていたジャージのズボンを脱いで彼に返した。


「いい、1人で帰れる」


もう新井達也のペースに巻き込まれたくないっていう気持ちがあったから断った。


それに、彼女いるし。


「あっそ。じゃあ気をつけて帰れよ」


直接口に出して言ってないけど彼に“可愛くない”って言われた気がした。