彼の手がキライ



「楽に……なってるよ」


すごく体がポカポカして、頭がいつもより軽い。


知らなかった。


体の歪みを治しただけでこんなにも違うなんて。


頭を触っても重さなんて分からないのに、何度も手で頭に触れてしまう。


ちょっと嬉しくて口元が緩んじゃう。


「よくなったみてぇだな」


ソファーの近くに突っ立っているわたしの頭をクシャクシャと撫でてきた。


待合室には他の患者さんがいるからちょっと恥ずかしい。



「矢沢さん、副作用について説明しておきたいのですが」