彼の手がキライ



片方の手は首の後ろで、もう片方は耳を隠すように頭に手が置かれていて、その指先は耳の下にある。


頭の位置はあまり変わらないけど、首だけ右に行ったり左に行ったり。


最後に、頭上に向かって軽く頭を引っ張られた。


痛そうなことをしているけど、これが痛くなくて。


「今は体の歪みはありませんが来れる日は続けて下さいね。治療し始めたばかりの時はすぐに体が歪んだ状態に戻ってしまうので」


台から降りて、体を動かしてみるわたしに新井達也のお父さんが言った。